俺が彼女を抱けない理由



みんないい感じにお酒が入り酔いが回ってる中、兄貴が沙希の手を引っ張って外へ出て行った。


「プロポーズだったりして」


結衣ちゃんが見えるはずもないドアの向こうを見る。


プロポーズ。。。

その言葉に少し動揺した自分がいた。


もう沙希のことは何とも思ってないはずなのに、隣には大事な葵がいるのに。。



沙希が戻ってくるまでの時間がすごく長く感じた。



「どこいってたのぉ?外にでたら写真とられちゃうよ〜」



結衣ちゃんが笑いながらカクテルを作る。



「あっ!沙希の指っ」


葵の言葉に全員が沙希の指に釘付けになる。


左手の薬指。。。


「祐介くんやるね〜」


楓くんが兄貴の腕を突く。


「いいなぁ沙希ちゃん」

結衣ちゃんが楓くんの腕を掴む。



「結衣にもちゃんと考えてあるって」



「ほんと??今ハードルあがったよ。笑」



「マジで??


もぉ祐介勘弁してくれよぉ」


ほんと。。
兄貴勘弁してくれよぉ。

俺のサプライズが。。。

ポケットに入ってる箱を掴んでやっぱり先に渡しとけばよかったと後悔した。


指輪を見続ける沙希は1人違う世界にいったままで帰ってこない。


「沙希うれしいの分かるけど。。ちょっとキモイ」



「なんか信じられなくって。。。」



いつもならうるさい!!って返ってくる言葉もなく拍子抜けする。


高井祐介から指輪をもらいたい女の子なんてこの世には数え切れないくらいいるだろうな。


沙希はほんとに幸せものだよ。