俺が彼女を抱けない理由


楓くんが大量の煮込みハンバーグを持ってくる。

「さすが〜楓くん」


それを嬉しそうに食べる兄貴。

そこにいたのは俳優高井祐介ではなくただの1人の男だった。


「沙希もっと飲めよ」

「えっ?」


「お酒が入ったらもっと甘えてくるかと思って。笑」



「あっあの高井さん。
アタシ。。プレゼントとか用意できてなくって。。。」


「そんなのいいよ」



「高井さんが欲しいものとか好きなものも分からくて。。」


「俺が好きなもの。。。?」

みんなの視線が兄貴に集まる。



「。。。。沙希かな」




えっ。。。



俺が10年言えなかった事をさらっといった兄貴を見たまま俺は固まった。


「た、高井さんって。。そういう事言う人なんだ。」



結衣ちゃんも違う理由で固まってる。


「沙希ちゃんが変えたんだよな。」


楓くんの言葉に俺はそうかも知れないなと思った。


「沙希いいなぁ〜」


葵が俺の方を見る。




「俺が好きなのは葵だよ!!」



恥ずかし〜。。。



「俺が好きなのは結衣!!!」



いつの間にかそんな事を叫びあっていた