俺が彼女を抱けない理由




「じゃあ今日から結衣ちゃんってよんでね。沙希ちゃん。葵ちゃんもね〜」


結衣ちゃんにそう言われてホッとした二人は照れながら『結衣ちゃん』と呼んでいた。


ほんと結衣ちゃんが一番大人だな。。笑

「楓さん。。ウーロン茶下さい。。。」


「さっきまでの勢いはどうした?」

「。。。高井さんくるまで控えます。。」


そういって楓くんからウーロン茶を受け取る。


結衣ちゃんが楓くんにプレゼントを渡してるのを見て葵が俺を引っ張る。


「ん?」


「あっこれプレゼント」


「いいのに〜」


「恥ずかしいから後で開けてね」


「俺、車の中だから後で渡すね」

ほんとはポケットの中に入ってる。


でも二人の時に渡したかったんだ。。



ガチャ


ドアが開く


「こんばんわ〜遅くなった。。」



兄貴の姿を確認した沙希は嬉しそうに兄貴を見つめる。



沙希ってこんなにかわいかったっけ?


そう思わせるほど沙希は変わった。


俺には見せたことのない沙希の姿だった。


兄貴も何にも目もくれず沙希の座ってる席へと向かう。


「遅くなってごめんな。」


そういって沙希の頭をポンポンっと叩いた。


俺にはその光景がスローモーションのように見えた。