俺が彼女を抱けない理由


「高井さん着くの22時頃だって」


沙希が携帯を見ながらうれしそうに言う。


「結衣はもうそろそろじゃないかな?」


楓くんの言葉に沙希は自分の体を見ながら溜息をつく。


「あ〜結衣さんと並ぶとアタシのダイエットに失敗した体が目立つ〜」



「あっちはプロ!そんなこと言うと結衣ちゃんに失礼!」


俺の言葉に沙希が脹れる。


「沙希〜ペース速くない?」


葵が心配そうに沙希からグラスを奪う。


「ぜんぜ〜ん大丈夫。ていうか飲んでる方が高井さんに積極的になれるかも」



「酒の力を借りるんだ?爆」


楓くんが大声で笑う。

沙希が緊張するって。。
やっぱり兄貴は別格だな。

「じゃあアタシももう一杯」


葵も調子に乗って飲もうとする。


「葵無理すんなよ?」


「今日は楽しいから特別!」


「じゃあほどほどにな」

俺と葵の会話を嬉しそうに見る沙希。



「こんばんわ〜」


「あっ結衣さん!お疲れ様ぁ〜」


「沙希ちゃん久しぶり〜」


「結衣どうやってきたの?」


「今日は自分の車」



「雪の中危ないのに。っていうか結衣と沙希ちゃんおない年なのになんで沙希ちゃんは結衣のことさん付け?」



そういえば葵も結衣さんって言う。


俺には分かるような気がした。

結衣ちゃんの事を勝手にライバルだと思い込んでた二人は突然友達になったことでちゃん付けにはできなかったんだろう。。笑


「あ〜なんとなく。。」


沙希の言葉にふき出しそうになった。