俺が彼女を抱けない理由


「すみません。。注文してた結城ですけど。。」

「あっ少々お持ちください」


キレイにラッピングされた箱をポケットにしまい葵の会社前へと急ぐ。


なんとか間に合いそうだな。


【もうすぐつくから】



信号待ちでそれだけメールを打つ。


会社前につくといつもとは違う葵と沙希が入り口からでてきた。



「拓わざわざごめんね」

「いいって」



沙希と目が合う。


前までなら『なんだよっ』って沙希にちょっかいを出すところだけど、葵の気持ちを考えて止めといた。



葵は助手席に沙希は後部座席に乗る。



走りだす車の中沙希はずっと窓の外を見てる。



tick


2月14日この店閉まってたよな。。。

沙希もあの時のことを思い出してるのかな。。


「お前なに妄想の世界に入ってんの?笑」



「ううん、別に」


道路は思っていたほど混んではない。



「早く着きそうだね?」

「アタシのナビがいいからだよ。笑」


「ほんと拓ちゃんに任せたら今日中には無理だったかも。笑」



こいつら好き勝手いいやがって。。





「お〜みんないらっしゃい」



「こんばんわ」




店の中はすでにいい匂いがしている。


兄貴と沙希はここによく来てるみたいで、二人の隠れ家だといってた。



「今日は貸切だし思いっきり騒ごうぜ」




楓くんの言葉に葵と沙希はテンションがあがる。