「拓〜帰ってるの?」
「あぁ」
着替えていると酒臭い母親が部屋に入ってくる。
「高校は楽しい?彼女はできたぁ?」
そう言いながら近づいてくる母親を俺は払いのける。
「あっ俺、また陸上するから」
「え〜拓またそんなただ走るだけの地味な部活するのぉ?」
最悪だ。。。
俺が中学の時、どれだけの練習をして、どれだけの成績を上げたかなんてこの人は知らない。
ていうか興味がないんだ。。
「もう出てけよ」
「かわいくない子」
そう言い残して母親は部屋を出て行った。
どうせまた男の所へでも行くんだろう。
こういうとき親父はどんな人なんだろう?と思う時がある。
愛人を作って俺を生ませてるくらいだからろくでもない奴だとは思うけど、お金だけは毎月相当な額が振り込まれてるんだと思う。
そのおかげで母親は働かないでいつまでも女でいれるんだ。

