俺が彼女を抱けない理由

「ただいま」


「あ〜拓ちゃん彼女?」

嬉しそうに近寄ってくるマナさんと親父。


「こんにちわ。坂井葵です」


「はいこんにちわ。あれ?パーティーの時いてたよね?」


「あっ。はい」


「そっかそっか」


何かを納得したようにマナさんは事務所へと戻っていった。


「拓、よかったな。今日はなんの仕事も入ってなくて。笑」



俺の肩をポンポンと叩いて親父も中へと入っていく。


「拓ちゃんのうちってほんと大きいよね」



「親父の力だな」


「すごい人だね」


俺らはエレベーターで部屋へと向かう。


「なんか緊張する」


「なんで?笑」


葵が不思議そうにこっちを見る。


「女の子入ったことないから。」


「絶対うそ〜」



「いや。ほんとだって」