俺が彼女を抱けない理由

恥ずかしそうに下を向いて部屋からでてくる沙希

「沙希ちゃんおはよ〜」

「おはようございます。アタシ何手伝ったらいいですか?」



「沙希ちゃんは祐介の相手でもしてて。笑」


「えっ。。。」


「あっ沙希おはよぉ〜」


葵が下りてくる

「おはよっ」


「沙希どうだったぁ?」


葵の言葉に全員が沙希の方をみる。


「もぉ〜葵ぃ!」


その慌てぶりに兄貴と1つになったんだと分かった。



よかったと思う気持ちとどこか寂しい気持ちが同時に俺を襲う。


正直その話を詳しく聞きたくない俺はその場から離れた。


そんなちょっとした行動も葵を傷つけてたなんてこの時俺は考えもしなかったんだ。


「おはよぉ〜」


「おぅ祐介おはよ。お前遅いっ。沙希ちゃんに寝させてもらえなかったか?笑」


そんな楓くんの声が遠くで聞こえる。


「祐介も結衣も仕事だろ?」

「うん。中田さんが迎えにくる」


「じゃあお前ら朝ご飯食べて先に荷物まとめろよ」

「俺仕事行きたくないな」

仕事が生き甲斐のような兄貴がそんな事を言うなんてよほど沙希に惚れ込んでるんだな。


中田さんが迎えにくるのは想像以上に早くて二人は文句を言いながらも先に帰った