葵。。。この頃から俺は少しずつ葵に惹かれていったんだと思う。
『ありがとう』
って微笑んだ顔今でも憶えてる。
俺は葵ちゃんを家まで送って仕事に戻った。
「拓〜遅いぞ〜。昼間っからデートなんて100年早い!」
そういってまた頭を叩く親父は俺の昼食もちゃんと用意してくれていた。
『もしもし沙希?』
『拓?』
『うん。今大丈夫?』
『大丈夫だよ。葵は?』
『ちゃんと送ったよ』
『。。ありがと』
『なぁ沙希?』
『ん?』
『いや。。。なんでもない』
『そっか。。』
沙希の口から葵のことどう思ってるの?とか、付き合ってあげて。なんて言葉はでなかった。
聞かれても答えられなかったし、人に言われて決めることじゃない。
『葵は大切な友達だから』
それだけ言って沙希は電話を切った。

