俺が彼女を抱けない理由



車も持ってないのに迎えに来てるからおかしいとは思ったんだ。。苦笑



「なんか今から拓の帰宅パーティーらしいよ」

「えっ?」

「高井さんが言ってた」

「どこで?」


「拓ちゃんの会社の大ホールだって〜」


俺の帰宅パーティーとかいってただ親父が盛り上がりたいだけなのは分かっていた。



うちに着くと本当にパーティーの準備がしてあり、俺がまだいないと言うのにすでに多くの人で盛り上がっていた。





「おぅお帰り次期社長!!笑」



もう酔ってんのか?

赤い顔で俺に絡んでくる親父を見て二人は微笑む。


「はじめまして。拓くんの友達の香川です。」


「坂井です」


「こんばんわ。拓にこんなかわいい友達いたんだね。笑」


そんな事を言っている親父を引っ張ってソファに座らせる。



「拓パパ、拓ちゃんそっくり」



「ほんとに。笑」



沙希と葵ちゃんがそう言って笑っているのが聞こえた。そしてその後ろに現れた兄貴の姿も確認した。



「あっ高井さん」


「沙希、早かったなぁ」


沙希。。かぁ。。



もう二人はそういう関係なんだ。。



「あれ!!高井祐介じゃない?」


兄貴の登場に会場の熱気が一気あがる。


そんな兄貴を見て沙希はその場から少し離れた。



「沙希ちゃ〜ん。大ホールに料理用意できたって」


俺は一人になった沙希の手を引っ張ってその場を離れた。




「うわぁ〜さすが跡取り息子、歓迎振りがすごいね」