俺が彼女を抱けない理由


成田に着くと俺は疲れで足取りも重くフラフラとタクシー乗り場の方へと向かった。






「拓ちゃ〜ん!!!」



葵ちゃん?


その後ろには大きく手を振る沙希の姿が見えた。




「おかえり〜」


「なんで?」



「瞬くんが来れないみたいだったから来ちゃった」



「二人ともお迎えご苦労。笑」



「なによそれ!」



そういって沙希は俺の頭を叩く。


相変わらずだな。。笑


「沙希ちゃん兄貴とうまくいってる?」


今聞いてしまえば、これから先大丈夫だと思った。

「ラブラブだよ」


幸せそうな沙希の顔みて俺は心の底からよかったって思ったんだ。



「そっかそっか。そのまま高井家に入っちまえ。笑」


そういってからかったのに、沙希は俺の目を見なかった。



多分気を使ってるんだろうな。。


俺告白なんかしなきゃよかったのかもな。。。


少しだけそんなことを思った。



「拓ちゃん、荷物持つよ」



「サンキュ〜」


葵ちゃんが笑顔で荷物をもってくれる。




「じゃあいこっか?」



「だれの運転?」



「アタシ!!」


自信満々に手を上げる、ペーパードライバーの沙希に俺は心の底から恐怖を覚えた。



「お前冗談キツイって」


「帰りは拓が運転すんの!」



「拓ちゃんの車だしね。。笑」



二人の言ってる意味が分からない。



「俺の車って何?」



「高井さんがこれに乗って行っていいよって鍵出してくれたの。笑」