俺が彼女を抱けない理由



この雪のせいで道は空いていて思ったよりも早く帰ってくる事ができた。




「沙希〜買ってきたぞ」

「。。。」


「お前何してんの?」


「えっ?」


「はい。薬」



沙希が俺の方に来ようとする。


「寝てろって」


「あっ。」



「沙希っ」


倒れ込む沙希を抱き抱える腕に力が入る。



このまま離したくない。


「拓?」



「黙っとけって」




ピンポーン




「えっ?」




「高井さんだと思う。。。」




「兄貴?」




「拓。ゴメン放して」




「嫌だ。」



「拓?」



「俺じゃダメなの?」




「拓?」



「俺、沙希が好きだよ」





ピンポーン





「拓、離して」




「沙希ちゃん?」





ガチャ


ドアの開く音に俺は上を見上げた。


「えっ。拓と沙希ちゃん?ごめん。



そういう関係なら言ってくれればいいのに。笑」


驚いたような顔の兄貴と目が合う。


呼吸が荒い。。



兄貴急いできたんだ。。





「ごめん。帰るな」


そういって兄貴がドアを閉めた音が玄関に響いた。


「違うのに。。



・・・・違うのに」



沙希の口から何度もその言葉がでる。


そしてそれは何度も俺の胸に付き刺さった。



「ごめん」


そういって沙希を座らせて俺は部屋をでた。