俺が彼女を抱けない理由


あれからも葵ちゃんは連絡をくれる。


【これからも友達でいてね】


そのメールのおかげで俺達は今までと変わらない関係でいる事ができた。



だから明日会ってもきっといつもの俺たちで居れると思う。



そして久しぶりに沙希に会う。




沙希とは鍋をした日から連絡をとっていなかった。




葵ちゃんの事があったからと言えばそれも違うような気がする。




アイツの口から兄貴の名前を聞くことが怖かったのかも知れない。







「拓ちゃん!」


「あっおはよ」



「おはよう」



「ごめん遅かった?」




「全然」



葵ちゃんは俺が思ってた以上に明るくかった。


それに比べて沙希は愛想だけの挨拶でさえない顔をしてた。




「沙希〜おはよ」



「拓おはよぉ〜。。」



「お前顔色悪くない?」




「やっぱり。。。分かる??」


明らかに顔色の悪い沙希は下向き加減でなにか疲れてる感じだった。




「なんか違うなぁ」




「昨日寝れなくて。。。」




「小学生かよ」




「だね。。。」




返ってくる言葉にも張り合いがなかった。

そんな沙希の目を覚ましてやろうと思った。


「楽屋行く?」



「楽屋?えっ?楽屋??高井さんの?」




「そうだよ」




「ダメだって。そんなの。ダメ!」




「もうOKとってあるし〜」





「楽屋とかなかなかそんな経験できないよぉ!!」





沙希よりも葵ちゃんのテンションの方が高い。



俺は二人を引き連れて兄貴の楽屋へと向かった。