俺が彼女を抱けない理由




「拓ちゃん」

向こうの方から急いで走ってくる葵ちゃんの姿が見えた。

いつも以上にお洒落をしてるのが俺にでも分かる。


周りの男が振り返るくらいにかわいい。


この子を好きになれたら俺は幸せだろうな。


「転けるよ。笑」



「なんか早く会いたくて」



こんな言葉を俺のために言ってくれる子を俺は突き放すのか。。


「いこっか?」


「うん」



俺たちは予約してた夜景の見えるレストランに入った。



「拓ちゃん。今日はありがとう」





「ううん。いいよ」





「それにしても拓ちゃんと高井さんが兄弟だなんてびっくりだよ」


「だよなぁ。笑」



「でもアタシは拓ちゃんの方が好きだよ」


「それっなかなか貴重な存在だなぁ。笑」




俺はわざと冗談ぽく答える。



「アタシね、高校で初めて拓ちゃん見た時に一目惚れしたんだ」


「。。。高校?」




「うん。その時は好きっていうか仲良くなりたいなって思ってた。」



「うん」





「拓ちゃんが学校辞める前みんなで海にいったよね。」


「うん」


「あれアタシが沙希に頼んだんだよ」



「。。。」


俺は三浦と葵ちゃんを引っ付けようとがんばってた。


「けど拓ちゃん途中でいなくなって。」



「ごめんな。。」




「アタシの事が嫌で帰っちゃったのかなって」




「それは違うよ」



「アタシね何人かの男の子とも付き合った。でも。。

アタシ拓ちゃんが」