俺が彼女を抱けない理由


ただの好きな芸能人から1人の男として兄貴への見方が変わった沙希。


でもやっぱりそれは叶うことのない恋だからって一線引いているようにも見えた。


それは俺も同じでどこかで兄貴が沙希を相手にするはずがないって思っていた。





明日はクリスマスイブ。



俺は葵ちゃんとの約束がある。


こんな気持ちで会っても何を話したらいいのかも分からない。







「拓ちゃんの行きたいとこならどこでもいいよ」



嬉しそうにそう言った葵ちゃんの顔が頭から離れない。




それが葵ちゃんを傷つけることになってもちゃんと俺の気持ちを言わないといけないな。


窓から外を見ると今年も数え切れないほどのイルミネーションが光を放っていた。






それを見ながら明日沙希は1人なのかな。なんて考えていた。