俺が彼女を抱けない理由

「祐ちゃん変装とかいいの?」


「いいよいいよ。誰も俺なんか追いかけないって。笑」


この人自分の人気と影響力のすごさを分かってないな。。。



本当に気取らないし売れているという自覚が全くない。



そういう兄貴が好きだけど少し心配になるところもあった。







「あっ。ここ」


「はいよ」


俺は先に車から下りて兄貴を隠すように沙希の部屋へと向かった。



部屋には電気がついていて、沙希がいるのが分かる。


沙希ビックリするだろうな。



想像しただけでも笑える。。



ピンポーン


俺の押したインターホン急に部屋の中が慌しくなってに玄関のドアが開いた。




「はぁ〜い。葵?早かったね」




「残念でしたぁ。拓ちゃんですよ。笑」


葵ちゃんだと思っていた沙希は拍子抜けしたような顔で俺を見た。





「拓かぁ〜」




「っで沙希ちゃんの好きな高井さん!」




沙希は一瞬何も分かってない顔をした。







「こんばんわ。。沙希ちゃん」




俺の後ろから顔をだす兄貴に気づいた沙希は何が起こったのか分からずにただ兄貴の顔をジッとみていた。








ガチャ





はぁ??





そのまま部屋に戻った沙希は玄関のドアを閉めた。

いくらインターホンを鳴らしてもドアを叩いても叫んでも鍵のかかったドアが開くことはない。







「お〜い沙希~開けろって!!」