俺が彼女を抱けない理由


やっと開放された。。。

「お〜い拓ちゃ〜ん。」

瞬が嬉しそうに近づいてくる。


「お前完全にあの子にやられてるな。爆」


「アイツ無理〜」


「俺はなかなかいいコンビだと思うけど〜」


「勘弁して」




「夕実〜課題写させて〜」


そんな俺達の会話を割って入ってくるように遠くでアイツの声が聞こえる。教室にはたくさんの人がいるのにアイツの声だけが聞こえてくる。



「なぁ。今日瞬ひま?」


「今日は予定あるんだよなぁ。。デート!」


「そっか」


「じゃあお前も来いよ。誰か友達連れて来させるから」


「あ〜じゃあ行こっかな」


家に帰るよりはましか。。。


俺はただそれだけの理由で行く事にした。





教室の窓を開けると暖かい風が入る。


風に乗って聞こえてくるピアノの音も心地いい。





その音に合わせるように俺の携帯が震えた。


【さっきはありがとぉ☆これアタシのメルアドね^^サオリ】


俺はチラッと見てすぐにポケットにしまった。