ぴしっ!

ナタにデコピンされた。

「イルル、今失礼なこと考えたでしょ。」

何故わかったし。

「イルルは目に全部出るからのぅ。」

そうなのか。

ナタは俺にタバコとライターと握らせた。

俺は対面で眠っているリーヴェを起こしに行った。

一緒に働いていた限りでは
リーヴェは寝起きは悪くない…はず。

ほっぺたを左右にひっぱる。

予想通り、リーヴェはすぐに起きた。

「ナタが起きろって。」

「しゃーなし、起きるか。」

リーヴェは伸びをして
あくびをひとつすると
タバコとライターを持った。

「行こうず。」

どこに、なんて言わない。
リーヴェが何も言わなくても
ベランダの喫煙所ってわかるし。