「何?」 「……いや、何でもない。」 あ、やっと腕を離してくれた。 「あ、優ちゃん!」 「有沙「先輩すみません。 こいつが遅れたの俺のせいなんで。」 「え……?」 「え、あ、うん。 別にそれはいいんだけど、もしかして優ちゃんに何かあったんじゃないかって思って。」 「ご心配をおかけしました! 私はこの通り大丈夫です!」 「それならよかった。」 常盤君は何も言わずに体育館へと行ってしまった。 なんだろ、これは。 妙に心臓がドキドキする。