「待て、俺が見てくる」
彼は険しい顔で言った。
私の返事も待たずにためらうことなく、つかつかと倉庫へと向かっていく。
ちょっと待って、怖くないの?
ひとりで行って大丈夫?
そんなに華奢なのに平気なの?
何故だろう。
さっきよりも余計に不安が込み上げてくる。
彼ひとりに任せておくこともできず、私は彼の後に続いた。こんな時に海斗がいてくれれば心強いのに……と思いながら。
彼がドアノブに手を伸ばして、一呼吸置く。
ちらりと私を振り返り、開けると言うように小さく頷く。私が頷き返すのを確認して、一気に扉を開いた。
照明の灯りが、目に飛び込む。
やっぱり誰かいた。
身構えようとして、すぐに力が抜けた。視界に映ったのは河村さん。隣りには海斗も。
二人とも驚いた顔で私たちを見ている。
床に落ちた大きな段ボール箱の中を覗き込む体勢で。
壁際には天井まで高さのある大きな棚があって、段ボール箱があったと思われる私の目の高さぐらいの棚の辺りがすっぽりと空いている。

