聴かせて、天辺の青


そういえば海斗も、外に出たまま戻ってこない。今はそっとしておくべきかもしれないけれど、私自身がじっとして居られない。



商品整理を終えた店内で、海棠さんと二人きり。私たちまですっかり口数が少なくなってしまった。
きっと彼も海斗のことを気にしているのだろう。固く口を結んで曇った表情をしてしまうから、まともに目を合わせられい上に居心地がいいとは言えない。



「ちょっと外に出てくるね」



ついに耐えきれず、私は店の外へ出た。



まっすぐに自販機コーナーへと向かったけれど、海斗の姿はない。綺麗に片付けられた自販機コーナーは空っぽ。
とりあえず店の裏側へと回ってみることに。



店の裏側にある海を望むベンチに、海斗が腰を下ろしている。缶コーヒーを手に、海を眺める横顔には不安の色を滲ませて。
私に気づいた途端に慌てて引っ込めたけれど、ばっちり見てしまった。



そっと事務所の扉を通り過ぎる私を見ていた海斗が、人差し指を唇に当てて首を振る。
まだ事務所では、彼女と河村さんが話し込んでいるのだろう。



事務所の窓に自分の影が映りこまないように、体を屈めて頭を下げながら速足で海斗の隣へ。
滑り込むようにベンチに腰を下ろすと、海斗は呆れたと言いたげに息を吐いた。