河村さんの旦那さんは隣県で単身赴任しているという。そこで旦那さんは彼女と知り合ったと聞いていたのに、彼女はこんな所まで河村さんに会いに来たというのか。
しかもここ一週間ほど毎日、駐車場から店内の様子を伺うなんて。何を話したかったのか知らないけれど、大したものだと思う。
ちょうど彼女と河村さんが入っていったドアから海棠さんが現れた。二人に弾き出されたように複雑な表情で、私たちを見つけて首を傾げる。
海斗も首を傾げて応える。
「さて、俺らは品出しを済ませてしまおうか」
海斗は再び商品整理を始めたけれど、そわそわして落ち着かない。度々事務所のドアへと目を向けて、息を吐いては肩を大きく揺らしたり。
そんな海斗を見ていたら気になって気になって、海棠さんと私も商品整理どころではなきなってくる。気にして海斗を振り向くタイミングが海棠さんと合って、顔を見合わせては苦笑した。
「俺、外の掃除してくるわ」
やがて海斗は言い残して、店の外へ出て行った。
「何があったの? 深刻そうだけど」
待ち構えていたように海棠さんが問いかける。さっきまで河村さんと事務所に居たし、彼女の存在を全く知らなかったから仕方ない。
私的には彼女が海棠さんとは関係なかったことが救いだったけれど、海斗と河村さんにとっては一大事。

