聴かせて、天辺の青


それだけでも恥ずかしくて堪らないのに、海斗が笑い出す。海棠さんと私とを見比べるように交互に見ながら。



「何してんだよ、どっちも子供みたいだなあ」



傍に置いてあるティッシュペーパーを素早く渡してくれるけどキツい言葉。



「すみません、こんなにクリーム入ってると思わなかったから」



海斗からティッシュペーパーを受け取った彼は、照れ臭そうに笑ってる。少しだけ頬を赤くした彼の顔を見ていると、ひらりと視界に白いものが浮かんだ。



「ほら、瑞香も拭いて。もったいないよなあ……、上手に食べろよ」



海斗がティッシュペーパーを持って、私の前でひらひらと揺らしてる。
ちょっと生意気に上から目線なのに懐かしい気分。



海斗と英司と私と、三人で食事に行った時にもこんなことがあったかも。一番子供っぽく見えるけど海斗は意外と面倒見がいい。



「ありがと、久しぶりに食べたから感覚が掴めないの、次は上手く食べるから」

「次って、まだ食べるつもりか?」



海斗が目を見開いた。声が半ば裏返りそうなほど驚くことはないと思う。晩御飯前でお腹が空いてるから、二個目を食べる気満々だったのに。