聴かせて、天辺の青


「へえ……、アンタもこういうのに興味あるんだな」



感心したような海棠さんの声に、はっとした。かなり身を乗り出して見入っていたことに気づいて姿勢を正す。


だけど、聞き捨てならない。



その言い方はどういう意味?
なんとなく嫌味とも思える言い方が、ほんの少し気に障る。


「何なの? 見るぐらいいいでしょ?」



つい語気が強くなってしまう。
私だって一応女だ。可愛いものに興味ぐらいある。化粧っ気はない方だけど、髪もいつもひっつめてるけど。



「うん、見たらいいと思うよ」



戸惑うように発せられた彼の声。
それに対して私が謝るのもおかしな気がして、さらにもやもやした気分になってくる。



「海棠さんも何か見てきたら? 一通り見て回ったら、あそこのベンチで待ち合わせ……」



と言いながら指差した衣料品店前のベンチには、既に先客がいて長居しそうな感じ。フリーマーケットの出品者か関係者っぽい人たち。



「見終わったら声掛けるよ、それでいい?」



迷っている間に、彼が決めてしまう。



「了解、じゃあね」



さっさと離れていく彼を見送って、私も気ままに歩き始めた。