聴かせて、天辺の青



コイツ、何なの?


あの言い方は何?


私は助けたつもりなんだけど?


何だかよく分からないけど、敵意丸出しな態度で私の前を通り過ぎて和室の隅に座り込んだ。私の視線なんか完全に無視して。


かなり気に入らないんですけど。


和室のテーブルを片付けながら、気持ちが悶々としてくる。


ちらりと彼を振り向いたら、ぼんやりとしてる。点けっ放しのテレビを観ている様子もなく、どこを見ているのかもわからない目で。


やっぱり、様子がおかしい。考え込むような素振りをしながら、それをかき消そうとするかのように頭を振ってみたり、髪を掻き上げてみたり。


その目がいきなり、私の方へと向けられた。だけど私と目を合わそうとして見てるんじゃなくて、単に私の居る辺りを見てる感じ。


「何?」


って一言発した彼は、思いきり無愛想な顔。少し顎を上げて、見下したような冷ややかな目で私を見てる。


もう、我慢できない。


ちょっとだけでも、言ってやらないと気が済まない。