木梨君がせっかく興味を示してくれているんだ。ここで答えないなんてあり得ない!


あたしはよく分からない覚悟を自分の中できめてまた口を開いた。


「とりあえず見てからの方が説明しやすいから、このあと時間...ある?」

ここは学校。
あたしが社長をしていることとかあまり大きな声では言いにくい。

実際に会社にきてもらって説明したほうが合理的だとあたしは判断した。

木梨君に素性が知られるのはどうかとは思ったけど、木梨君も急にバイトをやるぐらいだからそれなりの事情ってものがあるのだろう。

この際、お互いの利害のために了承せざるを得ない。

それを木梨君も思っていたのか、案外快く承諾した。


「わかった」