「どした?七海ー?」

「別にー何でもない。」

そう、私、逢川七海、平凡な高校2年生に比べたら、「TAKUMA」なんて遠い存在に違いない。


「ははーん、さてはまた〝拓真君〟のことですか。」

「ちょっ、あやせ!」

「いいじゃないの、これぐらい。」


親友のあやせはつも私で遊んでくる。
私は玩具じゃないのに…!!

1人ふてくされてる私をよそに、あやせは早々と帰る支度をしてた。


「あれ?あやせ、もう帰るの?」


まだ昼休みなのに。
午後の授業だってしっかり残ってる。


なのにあやせは帰る気満々。