そんなあなたは先生でした…(下)


「「風邪!?」」

あたしと陽の声が被る。

「とりあえず、中入って」

奏さんに言われリビングに移動。
恭哉くんはまだ帰ってきてないみたいだ。


「それで、なんでそんなに焦ってるの?」

さっきからパタパタと走っている姿が見える。

「礼ちゃん、吉村さんが倒れたってことは家事をする人がいなくなったってことなのよ…」

「んで、いつ頃倒れたんだ?」

陽の質問に

「あたし達が帰ってきたら、リビングで倒れてたからざっと1時間前?」

麗華さんは答える。


「今はどうしてるんですか?」

「とりあえず部屋で寝てるわ」

「で、みなさんは何を?」


あっちこっちであーだのこーだのと
言い合っている。


「たぶん食事ね。
いつもは吉村さんが作ってるけど…、
誰も作れる人がいないらしいのよ」


あ、それでか。


え、ってことは……


「何か注文するか…」


奏さんがボソッと言う。