でも、 何故か怖くなくて、 いつもなら さっきまでは怖かったのに この男の子を怖いとは思ってたない自分がいた。 怖いよりも “恥ずかしい” という気持ちで顔が火照る。 「じゃぁ、俺帰るわ。 ありがとな、えっと……宇野!」 保健室のドアで振り返って言われた。 宇野…… 名前を呼ばれたのは初めてかもしれない。 名字だけど、 私はすごく嬉しかった。 今までは“あいつ”とか“あの人”とかしか言われたことなかったから。