「お母さんと話せて良かったね」
「うんっ」
あたしはさっき聞いた話を思い出して、
陽に抱きついた。
「おっ、どうしたの?」
「ううんっ、
なぁんでもなぁいっ♪」
陽、大好き。
お母さんのところに毎日行ってくれたんでしょ?
すごく嬉しいよ。
あたしって幸せ者だね。
「もう、礼ったら。
俺にウエディング姿ちゃんと見してよ」
「しかたないなぁ~」
せっかく抱きついたのに。
あたしは、陽から少し離れ
「可愛い?」
とふざけ気味に言った。
陽は目を見開いて、
にこっと微笑んだ。
そして、
「おとぎ話の姫様みたいに可愛いよ」
と耳元で囁いてくれた。

