「もう一つ、これは提案なのですが……」
「なんでしょうか?」
「もしよければ、お母様も僕たちと一緒にお住みになられませんか?
きっと礼も喜ぶだろうし、
一同、皆して大歓迎なのですが」
彼は私をどれだけ驚かせればいいのだろう。
礼、あなたはこれから驚きの妻になるかもしれないわよ。
「でも……、それは迷惑なのでは?」
私なんて役に立たないような人間だし。
「いいえ。
礼さんが言ってました。
お母さん離婚して独りぼっち。
一緒に住めたらな。
何気なく言った言葉だと思います。
しかし、僕には優しい礼さんらしい言葉だと感じました。
どうでしょうか?」
礼が、
そんなことを………
私は嬉しさの余り、
目頭が熱くなったのを覚えた。

