そんなあなたは先生でした…(下)


「僕は去年の梅雨頃、
“幸せにしたい”
そう言って付き合い始めた大切な人がいます。」


周りが少しざわめいた。

「プロポーズ?」
「え、彼女いたの?」
「結婚!?」

そんな声が口々に聞こえる。


礼は目を見開いて驚いていた。


俺は構わず続ける。


「その人は、俺をヒーローだと言う。
でも俺が頑張るのはただ一つ、
あなたの笑顔を守りたいから……。

そのためならなんだってする。


………礼、おいで」


俺が礼を呼ぶと、

クラス中がどよめいた。



礼は氷のように固まった。


タオルさえ落とした。



「礼、おいでってば…」


手招きをすると、落としたタオルに目もやらずに俺の隣にきた。


「えっ、どういうこと?」
「黒澤さんと先生が?」
「うそっ……」


うるさくなってしまった教室を


「静かに」



と恭哉が注意した。