そんなあなたは先生でした…(下)


「この二つの漢字は似てると思わないか?」


あちこちで頷いている生徒がいる。


「“辛”には“幸”になるために、
一本線が足りない。
ほらな……?」


さっき書いた“辛”に一本線を加える。


そうすると、


“幸”という漢字ができた。



「足りないのはたった一本だ。
その一本が足りないから“辛い”。

それはこの漢字だけじゃない。

何か困難にぶち当たったとき、

“辛い”と感じるだろう。

しかし、

“辛い”と感じてることを乗り越えたら……



その先には“幸せ”が待っている」



俺はもう一度、“幸”と書いた。