そんなあなたは先生でした…(下)


麗華side


礼ちゃん達が学校に行ったのを確認して、あたし達は明日の式場の準備をした。


「礼ちゃんのほうがあたしより早く挙式するなんて……」

「麗華も結婚したくなっちゃった?」

そりゃなるわよ、


奏がプロポーズしてくれたらすぐにでも挙式したいわね。


なんてね、


一度は考えたこともあるんだけどね。


あたしが

それはまだ……

って言ったのにね。



でもそれはまだ店を持つ前のこと。


見習い時代にそんなことを言われても
困ってしまうのは当たり前じゃない。


奏はそれをわかってくれている。



「麗華、試着してみない?」

「え?」

「ほら、あっちで試着できるみたいだしさ」


あたしは奏に行こうと促され、
試着コーナーに来た。


まったく、

あなたはあたしが思ってることなんか
お見通しなのかしら。



実は、あたしだって試着コーナーの存在を気にかけていたんだから。