麗華side
礼ちゃん達が学校に行ったのを確認して、あたし達は明日の式場の準備をした。
「礼ちゃんのほうがあたしより早く挙式するなんて……」
「麗華も結婚したくなっちゃった?」
そりゃなるわよ、
奏がプロポーズしてくれたらすぐにでも挙式したいわね。
なんてね、
一度は考えたこともあるんだけどね。
あたしが
それはまだ……
って言ったのにね。
でもそれはまだ店を持つ前のこと。
見習い時代にそんなことを言われても
困ってしまうのは当たり前じゃない。
奏はそれをわかってくれている。
「麗華、試着してみない?」
「え?」
「ほら、あっちで試着できるみたいだしさ」
あたしは奏に行こうと促され、
試着コーナーに来た。
まったく、
あなたはあたしが思ってることなんか
お見通しなのかしら。
実は、あたしだって試着コーナーの存在を気にかけていたんだから。

