「なに、妄想してんのっ! 恭哉は朝から盛ってるのねぇ」 「だから、ちげぇって!!!」 まったく、 麗華さんは信じてないようだ。 奏さんもニヤニヤしてるし。 黒澤と佐伯は別世界にいるかのように 爽やかな朝を迎えて、 俺らの話に耳を傾けようともしていない。 「陽、ほっぺにジャム付いてるよ」 「え、どこっ? とれた?とれた?」 「うん、とれた」 と、 なんて熱いんだ。 このバカップルは。 舞花は……… まだ眠そう。 卒業式前日。 そんな朝の始まりだった。