礼side
卒業式まであと2日
今日も舞花ちゃんと放課後デート
恭哉くんは、最近早く帰るらしい。
理由を教えてくれないんだって。
舞花ちゃんは、すごく不安になっていた。
「私、嫌われたかな?」
「そんなことないよっ!」
「うん…」
はぁっ、と溜め息。
全く何やってるんでしょうね!
「礼ちゃんはさ、彼氏さんとケンカしたりする?」
ストローでオレンジジュースを吸っていたあたしの口元から、吸ったものがこぼれていく。
「へっ!?」
舞花ちゃんは笑いながら、
ティッシュでテーブルをフキフキ。
「礼ちゃんって彼氏さんのこと、
私に何も話してくれないから……」
「………」
ごめんね、でも話せないんだよ。
「いいのっ!!!
ただ、ね、私が相談相手じゃ務まらない相手なのかなって……。
恭哉くんには、アイツって話してるから……」
「舞花ちゃん………」
下を向いてしまった。
確かにそうだよね。
隠し事をあからさまにされて、
その上自分の彼氏に相談をされてるなんて。
「舞花ちゃん、あのねっ」
舞花ちゃんは顔を上げた。
「実は……」
~♪
ビクッ
ケータイが鳴った。
「いいよ、出てあげて」
ごめんのポーズをとって、
ケータイを見る。
電話だ……
『陽』
と示していた。
あたしは陽に悪いと思いながらも、
電話を切った。
はずだった。

