そんなあなたは先生でした…(下)


恭哉くんは、
壁に片手をつけてあたしを見下ろした。


「なっ、なんですか!?」

「いやぁ?
もしかしてチャンスなのかなぁーって」

「ちゃ、チャンス!?」


なんのチャンスでございましょ?


「そう……。
佐伯からお前を奪うチャンス」


あたしと恭哉くんの距離は、
わずか5㎝くらい。


「近いよ、近いってば!!!」

腕を前に伸ばして
距離を作ろうとしたら、

手を抑えられてしまった。



あわあわあわっ