「礼はわからないとこない?
大丈夫?」
こうやってあたしのことも気にかけてくれるところも優しい。
「うーん、ここがよくわかんない」
「んー?」
問題を見せると、
公式を隣に書いた。
「ここは、この公式を変形して……、」
「こう?」
「そうそう!
礼は頭いいねぇ」
ポンポンと撫でてくれる。
あたしはその手に何度助けられたんだろう。
「陽、ありがとう///」
「礼のためなら全然構わないよ。
わかんなかったら遠慮しないで、ね?」
「うん」
どうしてこんなにいい人なんだろう。
あたしって、幸せ者だ。
「あのさ、俺の存在忘れてね?」
「「え?」」
見つめ合っていた目を声がした方に向ける。
あ、
恭哉くんいたんだった!!!

