そんなあなたは先生でした…(下)


「礼はわからないとこない?
大丈夫?」

こうやってあたしのことも気にかけてくれるところも優しい。

「うーん、ここがよくわかんない」

「んー?」


問題を見せると、
公式を隣に書いた。


「ここは、この公式を変形して……、」

「こう?」

「そうそう!
礼は頭いいねぇ」

ポンポンと撫でてくれる。

あたしはその手に何度助けられたんだろう。


「陽、ありがとう///」

「礼のためなら全然構わないよ。
わかんなかったら遠慮しないで、ね?」

「うん」

どうしてこんなにいい人なんだろう。

あたしって、幸せ者だ。



「あのさ、俺の存在忘れてね?」

「「え?」」

見つめ合っていた目を声がした方に向ける。


あ、


恭哉くんいたんだった!!!