礼side
そして始まった夕食。
話は恭哉について。
「お前はまだ将来の夢すら決まってないし、どうするつもりなんだ」
「あ、いや、その……」
目の前で見る光景は
“生徒と先生”
そのものだった。
「とりあえず、夏休み前のテストで全教科平均以上じゃなかったら、お前の夏休みはないからな!」
うわっ、
陽、かなり本気だ………。
「え、ちょっと待てよ!
あと2週間しかねぇじゃん!!!!!!」
「あぁ、そうだよ」
だから?
そういいたげな表情と声。
「無理無理無理無理っ!!!」
「なにが?」
「テスト!!!」
間髪を入れない会話が続く。
あたしと吉村さんは、
一応点いているテレビを見る。
グルメ番組をしているが、
リポートがなってない。
その間にも、
陽と恭哉の掛け合いが勃発。
「俺一人かよ!?
黒澤だって受験生なんだぞ!!!」
「礼はちゃんと勉強してる」
「はぁ!?
何の勉強だよ?
あ、大人の勉強?」
ブーッ…
あたしはお味噌汁を吹いてしまった。
吉村さんが布巾をもってきてくれた。
陽は咽せているあたしの背中をさすってくるている。
恭哉くんは………
笑ってる。

