そんなあなたは先生でした…(下)


絶対に怒鳴られる。



そう覚悟していたのに、
あたしは陽にきつく抱き締められた。



「あ、のっ……」


「良かったぁー…、礼が無事で。
ケガしてない?
怖かっただろ?」


優しい声だ………。



ぶわっ…


涙が溢れてきた。


「礼!?
どっか痛い?」


否定を込めて首を横に振る。


「じゃぁ、どうしたの?」


「陽…、ごめんなさいっ。
それと、ありがとぅ…」


怖かった。


絡まれたときに、
神田組のことを思い出してしまった。


「俺の話、聞いてくれる?」


肯定を表すために首を縦に振る。