「こちらが女性用で、こちらは男性用となっております」
フロントで渡されたのは陽が選んだあたしの着物。
薄いピンクの生地に白く小さな花がプリントされている。
赤紫色の帯をもらった。
あたしが陽に選んだのは、
黒の着物。
陽は黒とか紺が似合うからいいかなぁって。
「今から出掛けるんですが、お勧めとかありますか?」
時間はまだ2時で、夕飯まではまだまだ時間かある。
「でしたらマップを差し上げましょう。
ここの近辺には繁華街があり、お店も豊富ですので……」
マップにはお店情報が書かれていた。
「ありがとうございます」
お礼を言って部屋に戻り、
荷物を持って外へ出た。

