そんなあなたは先生でした…(下)


「クリスさん、あたしわかるよ。
わかる、その気持ち。
でもね、言っちゃいけないことだってあると思う。
周りが見えなくなっちゃったんだよね?
ううん、

周りが見えなくされたんだ、陽に……」



クリスさんをまっすぐ見てあたしは言う。


「あんたみたいな小娘にっっ!!!」


クリスさんは本性剥き出しになってしまった。


でも、

「たしかにあたしはまだ17年しか生きていない。
それも、あたしも愛されたいって思ってた母親に殺されそうにもなった」


一年前までのあたしはクリスさんみたいだったかもしれない。


「肉親に、自分を見てもらえない気持ちわかる?
あなたにわかりますかっ?
大好きだった親に暴力振られて、死にたくなったあたしの気持ちっ!!!」


「……………」



クリスさんは無言になってしまった。