「二人に話があって呼んだんだ。
クリス、お前には幻滅したよ」
言われたクリスさんは、顔色が悪くなり目を泳がせている。
そんなクリスさんの表情を気にすることもなく、陽は淡々と話していく。
「俺の礼を随分傷付けてくれたみたいだけど?」
「そ、そんなことしてないわっ!!!」
「この期に及んでまだ認めないのかよ。
こっちには証拠があるんだけど?」
クリスさんに向かってケータイを見せた。
そこに写し出されていたのは、今朝あたしがとった写真。
「っっ、それをあたしが?
あたしがやった証拠でもあるの!!!?」
たしかに………
クリスさんがやった証拠はない。
それなのに陽は余裕な顔をしている。
「あるよ。
吉村さんに筆跡調査をしてもらったからね。
メールで結果がきたよ」
「っっ!!!」
追い込まれたクリスさんは爪を噛み、
あたしを睨んだ。
「……………」
メドゥーサみたい。
石になりそうな眼力だった。

