そんなあなたは先生でした…(下)


「他には言いたいこととかある?」

どうせなら全部言って欲しい。
俺は礼を受け止めたい。


「あのさ……、クリスさんと手繋いだって本当?」


言ってきたのはたぶんあの出来事だろうなぁ。


「繋いだっていうか、クリスが階段で転びそうになっていたのを助けるときに、ね?」

「うん、そっか。
じゃぁ仕方ないね………、
でも……」


礼は俺の手に自分の手を重ねた。

指を絡ませ、

「ちょっとヤキモチ妬いちゃった」

と言いながらへへっと笑う。


柄になく照れてしまう。


「じゃ、じゃぁ店から一緒に出てきたって噂は?」

「店………、コンビニのこと?」


それはクリスの傘が誰かに間違われてしまってなくなったらしく、新しいものを買いたいと言ったから寄ったのだった。


「なんだぁー、そうだったんだ」


安堵したらしい。


俺てきには嫉妬してくれたことが嬉しくてやばいよ?