「陽…」


あたしは涙を拭い、陽を自分の元へ抱き締める。


「…………」



沈黙が続く。




何を言えばいいか言葉が見つからない。



「……礼、」


「ん?」


顔を上げた陽の表情はなんともいえない、切ない儚いものだった。


まるで、花びらが散るような。



「俺から離れていかないで…」


掠れた声で言った。


「あたしはずっと陽の味方だし、
ずーっと愛してるよ。
だから、離れてあげないからねっ」


笑顔で答えてあげる。



あたしは負けない。



クリスさんに何と言われても、



あなたを守り通す。