誰、と問いかけたのにも関わらずその人は見向きもしない。


ただ、ぼんやりと横たわる祖父を見つめているだけ。


その祖父はと言えば、ただただ浅い息で寝ている。



そう言えば、この人はどうやってこの家に入ったのだろうか。

それに、服装がとんでもなく奇妙だ。


黒いローブを頭まですっぽりと被っている。それはまるで、本や何かで見た事がある・・・



『死神・・?』


そう、死神のようなのだ。


その時、漸くその人はこちらへ振り向いたのだ。


「お前、見えるのか?」

『・・は?』

見える?見えるって何が?