明るい月と、ヒカリゴケのように光る地面に照らされながら、イルちゃんの案内で森の奥へと進んでいく。

けど、そんなイルちゃんはと言えば私の家に居た時同様地面から数センチフワリフワリ浮いているわけで・・・

この険しい道のりは関係ないってか?え?羨ましいなチクショーけど愛してるよ!!!!!

心の中で罵倒しながら告白まがいな事をしていれば、不意にイルちゃんが振り向いた。

「オーカ、着いたぞ」

そう言ったイルちゃんの向こう側には光る川があった。

『ふぅぉぉぉぉぉ!!!?何これめっちゃ綺麗!!!!!』

「クティルゥという植物だ。オーカの世界で言うコウゴウセーというものを夜の間に行う。だから、その間は光っている。来た道にもあったであろう?」

『そうなんだ!!(光合成が言えないイルちゃんまじ萌えハゲるぅ!!!)』

イルちゃんにいろんな植物があるんだねぇなんて話しかけながら、内心ではイルちゃんの可愛さを1人で熱弁していた。

「カァラレはあそこにあるぞ」

イルちゃんが指さした所には確かに外見がガマにそっくりな植物があった

『イルちゃんこれって人間に対する毒とかある?』

私が居た世界で毒がなくても、ここではあるかもしれない。だから何でも知ってるイルちゃんに聞くのが手っ取り早い。

「特には無いと思うぞ?」
『そっか』

それじゃぁ・・一本無造作に茎を途中から折った。

ふんふん・・匂いは特になし。
ベロっ・・・あぁ、これは・・

毒がないと分かってからの私の行動は極端だ。

自分の嗅覚や味覚、五感を使ってどう煎じればいいのか判断する。

取り敢えずたくさんのカァラレを摘んで手に持った。

『良し!イルちゃん帰ろうか!!』