《・・人の子?》
『私が・・私が変わりに薬を探す』


こんな森の中じゃ、医者や獣医なんて居る分けない。ましてや薬局なんてものもないだろう。

けど、森の中だからこそ草や花がある。草や花、木や根には薬用成分が含まれているものも多い。


この森にあるものが向こうと同一とは限らないけど・・やってみなきゃわからない。


『待ってて!!必ず探すから』

ダッと駆け出して洞窟を抜け出す。

洞窟を抜け出した途端、ブワリッと再び広大な景色が視界を覆う。


ズクンッ

『え・・?うっ・・!!?』

視界に様々な景色がうつったと思った瞬間、体が脈打った。

目が、耳が、鼻が、腕が、足が、心臓が・・・

体の全てがイタイッ―――――

ズクンズクンッとまるで体全体が心臓になったかのように脈打つ。

『ハッ ハッ ハッ ハッッ・・・ハァァァ』

必死に呼吸をしていれば、それは段々と収まり気づいたときにはなくなっていた。