恐る恐る、獣の様子を伺う。

やることもないし、取り合えず近場の岩に腰を落ち着けて只管獣を観察する。

ジィィィィィィィィィィ

《・・・・》

ジィィィィィィィィィィ

《・・・・》

ジィィィィィィィィィィ

《・・・・》

ジィィィ《いい加減にせぬか》

『ヒッ!?しゃ、喋った!?』


え!?え!?え、えぇ!!?今喋ったよね!?この獣喋ったよね!?うっそぉ!!?

《ふんっ。人の子の癖に言葉が伝わるとは珍妙な》

珍妙って言われたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?

《騒がしい!我の子が起きてしまうではないか!!》

『え?子供が居るの?』

《・・・興味があるのか?》

『ある!!あるある!!!めっちゃある!!』