『じゃぁ、行って来ます・・』

「あぁ、気をつけて行って来いオーカ」


ここ数日、学校へ行くのが惜しくなる。

だけど、この美声に見送られて行かないわけには行かなくて・・

今日も私は、家を出て学校へ向かう・・。


イルちゃんが来て、今日で5日目。

そう、今日・・イルちゃんはこの家から居なくなってしまう。

この幸せな日々が、消えてしまう・・。


最初から期限付きだと分かっていたくせに、馬鹿か私は・・。


『ハァッ・・』

小さくため息をつきながら、廊下を歩いているとき、突然誰かにおもくそタックルされた。

『うっふぉい!?!』

奇妙な声を上げながらも、何とかその衝撃に耐えた私は偉い!!


「わっ、ごめんなさ・・!!す、すすすす、鈴音さん!!?」

『はい、鈴音です』